コラム

【桃 ~ 種子は鬱血の改善、葉は皮膚に良い】

薔薇科の落葉低木の果実で、中国北部が原産。日本への渡来は古代と考えられる。古代中国では桃には長寿の効があると考え仙人の薬としていたらしく、長生の実、仙果などと呼び、邪気を払う果物として珍重した。
主成分は糖質(ショ糖)で占められ、ビタミンやミネラルは乏しいが、食物繊維のペクチンが多いので、整腸作用がある。
漢方として用いられるのは蕾、種子、葉である。
蕾(桃花)にあるケンフェロールという配糖体は利尿や便秘に有効である。種子(桃仁)は鬱血、鎮痛、消炎、解毒、などのほか、高血圧、むくみ、生理不順の改善にも効果がある。
また葉(桃葉)は解熱、殺虫などに用いる。
葉の煎じ汁は、あせも、湿疹に効くので、桃の葉風呂にしたりすることもある。