薔薇科の落葉高木の果実。日本では古くから果樹として栽培している。縁起をかついで、「なし」ではなく「ありの実」ともいう。全体に甘みが強く舌触りがよい、歯ごたえのあるものが多い。このほか西洋梨、中国梨などがある。
成分のうち90%が水分だが、消化酵素を含むのが特徴で、これが肉類の消化を助けるため、食後のデザートとして適している。
解熱作用があるので、熱による症状の緩和に役立つ。夏風邪などで微熱が残ったときには毎日1~2個の梨を食べていると自然に治るとされている。これは中国の古医法にもあり、日本でも民間療法として伝えられている。熱の回復期には、おろした搾り汁を飲むとよい。風邪や扁桃炎で喉が痛むとき、または咳や痰を伴うとき、暑気あたりや二日酔いなどにも効果的である。
アスパラギン酸を含んでいるので、疲労回復にもよく、さらに利尿効果も期待できる。むくみにもよい。